僕がマスタリングエンジニアに憧れた理由 | Studio Mass Mastering

僕が、マスタリングエンジニアになろうと思った理由・・それは

マスタリングエンジニアの先輩の仕事に感動したからです。

ちょっとした思い出話をしてもいいでしょうか。

ある日、ラッキーが重なり、日本最高峰のマスタリングスタジオで立会う機会に恵まれました。
(立ち会ったスタジオの名前はあえてだしません。)

エンジニアさんが音をかけながら、機材のツマミをいじる。
そうすると、音楽の印象がガラっと変わっていきます。

暗くなったり、明るくなったり、色が付いたり、安心できるような音になったり・・・

当時、僕はマスタリングの知識をなにも持っていなくて、
どうして、ちょっとツマミをいじるだけでこんなに印象が変わるのか、
どうして、2MIXへの加工で音がこんなに鮮やかになっていくのか。
ミックス完成段階とマスタリング後では、決定的な何かが違う。
けど、それが何なのか・・

「?」が頭の中を駆け巡り、軽くめまいがしたのを覚えています。

僕が録音した楽器陣が、次々にCDの音へと変わっていきます。

それは、大げさじゃなく、魔法のような体験でした。

確かに、レコーディングや、Mixでもミラクルは起きます。
偶然、マイクの位置が下がって、ポイントを外れたら非常によかった とか
間違えたフェーダーを上げたらそれが実に具合がよかったりだとか・・・
そういう意図しない偶然が重なった結果、意外と良かったなんてことは、あります。

でも、目の前で起きているこの変化は、ミラクルを狙って起こしているように見えました。
きっと、数万ある可能性の中での、ベストの形へ、音が次々とおとしこまれていったのだと思います。

超一流の仕事を前にして、
「何をしたらそうなるんですか?」とか「これって何ですか?」
なんて質問すらできず、その場はただただ、圧倒されていました。
(今思えば、聞いておいてもよかったと思いますが・・汗)

その夜、僕は興奮が醒めず、明け方になってもずっと、マスタリングの事を調べていました。
Gearslutzという海外の掲示板で、有名なマスタリングエンジニアの投稿を読んだり、
他の人たちは一体どういう意図で何を使っているのかを調べて見たり・・

思えば、その時には既にマスタリングの虜になっていたように思います 笑

その後、色々なスタジオにお邪魔して、勉強をしました。

そして、レーベルやアーティストさんのCD作りのお手伝いをさせていただくことになりました。
仕事として、あのマスタリングを請け負うようになったのです。
きっと何かの縁かもしれません。

マスタリングしたCDの数が100枚を超えたあたりで、
気が付けば、僕も人からマスタリングエンジニアさんと呼ばれるようになりました。

自分が今聴いている音が、しっかりと感動を運んでいるだろうか。
あのミラクルを今、自分は起こせているだろうか。

今は、そんな自問自答を繰り返し、日進月歩の毎日をおくっています。