僕の中で、こんな公式がピンときます。
ミックスの仕上がり × マスタリングエンジニアの腕 = 音源(CDの音)
売り物として許せる、最低限の仕上がりが、100点満点で、50点だとします。
たとえば、
ミックスの仕上がりがいまいちで、40点だったとしても、
マスタリングエンジニアの腕がよければ70点ぐらいにすることができます。
逆に、ミックスが100点なのに、マスタリングが適当だと、30点ぐらいになってしまうこともあります。
ミックスをやる人の中には、マスタリングも自分でやってしまう人も多いです。
しかし、予算がなくて仕方なくという場合以外は、しっかりとマスタリングエンジニアにお願いするべきです。
まず、ミックスとマスタリングは全く別のスキルです。
ミックスでは、それぞれの楽器の音量や音質を調整できるのに対して、
マスタリングはあくまでも2MIXを加工します。
なので、ミックスほど自由になんでもできるわけではありません。
反面、マスタリングで調整することで出てくる質感や聴きやすさというものはあります。
次に、作品の完成を、第三者がやることで、
品質のチェックをする意味合いがあります。
最終的なCDの音を決めるために、全部ひとりで完パケというのは、リスキーなことだと思います。
仕事柄、ミュージシャンからCDをよく受け取ります。
ガッチリと作りこんであるモノ、MTRで録音したもの、GrageBandで作ったもの。色々です。
しかし、中には、全部を自己流でやってしまい、聴くのが辛い、2回聴きたいとは思えない。
そんな、仕上がりになっているものを時々あります。
作品にかける想いを考えると、言葉にならない悔しさで、涙がでてきます。
ミュージシャンが自分の音を自分だけで仕上げることができる。
それができるのが、理想です。
しかし、そのためにおさえるべきポイントや、ノウハウは少なくありません。
エンジニアが職業として存在しているのには理由があるのです。
万全を期すという意味では、やはりプロにお任せするのがおすすめです。